Updated : Sep 22, 2019 in Top

SaigoDog

上野から旅してきた犬

明治維新から約137年
初めて鉄道が開通してから132年 
西郷隆盛が城山で自決してから127年 
上野に西郷隆盛と愛犬「ツン」の像が建立されてから115年。 
鹿児島本線が門司まで全通してから95年、
鹿児島出身の安藤照が渋谷に忠犬ハチ公像を制作してから70年
秋田犬の忠犬ハチ公が病気で死んでから69年、
忠犬ハチ公像の作者安藤照が鹿児島に西郷隆盛像を作ってから67年、
渋谷の忠犬ハチ公像が金属回収令により回収されて60年、
安藤照の息子、安藤士によって忠犬ハチ公が再建されてから56年、
東海道新幹線が開業してから40年、
そして2004年鹿児島に新幹線が開通した。

「そんな時間を上野から旅した犬がいたとする。」

美術表現はその時代の価値観を表現し、
長い年月にわたってその意識や思考を繋ぐ。
情報や交通は加速を続け、
価値観は変化し続けるが、
美術表現は時間をとどめ、
その時代の価値観を記録する。

その犬の視線がみてきた
歴史の旅をイメージするなんてのはどうでしょう。

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東京の上野から
西郷さんの犬がやってきた
その名前は「ツン」。

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福岡から鹿児島まで連れてゆくのが
今回の僕の任務!

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新八代駅から九州新幹線「つばめ」に乗る。
おかげで僕も新しい「つばめ」に乗る。

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なぜかこの犬、
渋谷駅前の忠犬ハチ公像のポーズ

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「つばめ」はその日開通したばかりで
新八代の駅は賑わっていた。

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「・・・・」
ツンと鹿児島の西郷さんとハチ公
そしてつばめの関係は?

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ハチ公は秋田犬
渋谷の駅前で帰ることのない飼い主の
上野先生を待ち続けて有名になった。
大正14年(1925)から昭和10(1935)年までの
10年もの間!

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ハチ公が渋谷駅で主人を待ち続けた昭和5年(1930)
日本で最初の超特急「つばめ」が誕生
蒸気機関車(SL)が牽引する汽車ながら
東京-神戸間を8時間で走っていたとか。

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しかし、この新しいつばめ、
とても豪華な内装!
「キモチイイ!」

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ハチ公は昭和8年に上野公園で開催された
日本犬保存会主催の犬の展覧会で
人気者になったらしい。
渋谷駅で主人を待ち続けて8年目のこと。

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ということは
明治30年(1897)から上野を散歩し続けている
西郷隆盛のツンとも出会っていた?
ちなみにツンは薩摩犬!

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その1年後の昭和9年、
鹿児島出身の彫刻家、安藤照によって
渋谷駅前にハチ公像がつくられた。
その除幕式にはハチ公も立ち会ったとか。

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「カゴシマモ、ズイブンカワッタナー」

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ハチ公の作者、安藤照は
初代つばめが走り始めた昭和4年(1929)
鹿児島の西郷隆盛像を制作しはじめたとか。
完成したのは8年後の昭和12年(1937)!

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ということは安藤さんは、
西郷の銅像を制作している最中に
ハチ公の話に感動し、
ハチ公像をつくったということ?
超特急つばめに乗って
鹿児島と東京を移動しながら?

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「オオ!オオクボサン!」
とりあえず大久保さんとも記念撮影!

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「オオ!オオクボサン!」
とりあえず大久保さんとも記念撮影!

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「・・・」
しかし、風景はずいぶん変わったな。

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33年、1世代で風景は入れ替わる。
66年で2世代
99年で3世代
明治維新は4世代前の話

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つまり、僕の
8人のひーひーじいさんと
8人のひーひーばあさんが
どこかでなんらかの活動をしていた時代。
※先祖の数の計算図

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「オッ!ハデナウマ!」
1930年生まれの初代つばめは蒸気機関車。
1960年生まれの次世代つばめは
パーラーカーや食堂車を連結した
豪華編成の電車列車だったとか。

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そして2004年、つばめは新幹線として
鹿児島に登場する。

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人間が普通にイメージできるのは
せいぜい1世代(33年)程度のこと

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「イモショウチュー! ・・・ 」

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3世代先のことまでイメージする力は
持ちえていない。

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こんな時代になるなんて、
明治時代の祖祖父母のだれが
予想していただろう。

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「・・・」

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`「スケボー!」
例えば僕らはひ孫の活動する時代を
どれだけイメージできるだろう?

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しかし、次の時代をイメージし
次の時代の意識をつくる
そんな人間が必ずいた!
「ボクモ、ジャンプ シタイナー」

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そして確実に
僕らの遺伝子を受け継いだ子孫が
4世代先にもそのずーっと先にも
それぞれの時代で活動を続ける。
「ボクモ、ウタイタイナー」

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そして僕らは、・・・
「アッ・・・」

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「・・・」

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「オヒサシブリデス」

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ようやく到着!
何年ぶりのどういう再会なの?
とりあえず、
西郷と見つめあう上野から旅してきた犬

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「・・・・・・・・・・・・・・」

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ということで。おしまい

ということで。おしまい

忠犬ハチ公と西郷隆盛像と「つばめ」の微妙な関係年譜
■明治5年(1872)10月15日新橋(現汐留)ー横浜(現桜木町)両停車場で鉄道が開業したとか。
■明治10(1877)年9月24日 西郷隆盛が49歳の生涯を閉じたとか。
■明治22年2月 上野に銅像が建立されることになったとか。
■明治22年(1889)7月1日 東海道線新橋ー神戸間鉄道が全通したとか。
■明治22年(1889)12月11日九州鉄道博多ー千歳川間で九州最初の鉄道が開業したとか。
■明治30年 高村光雲によって上野に西郷隆盛像が後藤貞行によってその愛犬ツンの像が完工したとか。
■明治42年(1909)11月21日人吉経由で鹿児島本線全通したとか。
■大正12年 (1923)9月 関東大震災直後、上野の西郷隆盛の銅像に、尋ね人や連絡先の貼り紙をした。
■大正12年11月 忠犬ハチ公が大館市で生まれたとか。
■大正13年1月 生後50日で上野博士のもとに送られ、「ハチ」と名付けられたとか。
■大正14年(1925)5月21日 上野博士が大学の教授会の講演中に脳溢血で倒れ急逝。
 その後10年間渋谷駅で待ち続けたとか。10年はすごい。
■昭和2年(1927)鹿児島に西郷隆盛像建立の計画がはじまったとか。
■昭和4年(1929)鹿児島の西郷隆盛像の制作が始まったとか。
■昭和5年10月 東京~神戸間を9時間で走る蒸気機関車で牽引の超特急として初代「つばめ」が誕生したとか。
■昭和8年11月3日 上野公園で開催された犬の展覧会でハチ公が人気者になったとか。
■昭和9年正月 「忠犬ハチ公銅像建設趣意書」が作成され、全国各地より募金が寄せられたとか。
■昭和9年4月21日 鹿児島出身の彫刻家、安藤照によるハチ公像が渋谷駅に完成。上野博士未亡人を始め各界の名士が参加し除幕式が行われ、ハチ公もこれに参加したとか。
■昭和9年 初代「つばめ」が東京~大阪間を8時間ジャストで走る記録を達成、
  その後20年以上もこの記録は破られることがなかったとか。
■昭和10年3月8日 ハチ公がフィラリアで死亡。渋谷駅近くの路地で発見されたとか。
■昭和10年7月8日 大館市の大館駅前に忠犬ハチ公の銅像が建設され除幕式が行われたとか。
■昭和11年 尋常小学校の修身教科書二巻に「恩ヲ忘レルナ」と題してハチ公の物語が掲載されたとか。
■昭和12年(1937)5月23日西郷隆盛没後50年祭記念事業で鹿児島に安藤照による西郷隆盛像が完成したとか。
■昭和19年 太平洋戦争により金属回収令が公布され、渋谷・大館ともにハチ公銅像が回収されたとか。
■昭和23年 ハチ公銅像再建委員会が結成され、募金により安藤照の息子、安藤士によって
  渋谷駅前にハチ公銅像が再建されたとか。
■昭和25年 元日に、東京~大阪間2代目「つばめ」がひらがなの名で復活したとか。
■昭和35年6月 3代目の「つばめ」がパーラーカーや食堂車を連結した豪華編成の電車列車として登場、
  東京~大阪間を6時間30分走っていたとか。
■昭和39年5月 大館駅前に、ハチ公の若い頃の姿を中心とした「秋田犬群像」が建設されたとか。
■昭和39年10月 東海道新幹線開業にともない、新大阪~博多間を走る特急「つばめ」になったとか。
■昭和47年3月 新幹線の岡山開業によって岡山ー博多を結ぶ特急「つばめ」になったとか。
■昭和48年10月 岡山ー西鹿児島を走る「つばめ」になったとか。
■昭和50年3月 新幹線が博多まで開通し「つばめ」 は一度消えてしまったとか。
■昭和62年11月14日 大館駅前にハチ公銅像が再建されたとか。
■平成4(1992)7月 門司港-博多-西鹿児島で特急「つばめ」が復活したとか。
■平成16年(2004)3月13日 九州新幹線「つばめ」が新八代ー鹿児島中央駅間で開業!
■平成16年(2004)3月13日 九州新幹線つばめ43号にて上野からツンと称する犬が14:01鹿児島中央駅に到着するということで多くの出迎えが待っている中、ツンはなかなか出てこない。福岡からの付添い人が居眠りをしていて掃除の人たちに起こされたとか。もしかすると九州新幹線、記念すべきはじめての居眠り客だったかも?わずか46分程度で居眠りするな!あわてて降りようとすると、新幹線とホームの間の扉が閉まってしまう。掃除の人たちがあわててました。ともあれ、無事到着!その後、ツンはテレビ局の美人キャスターから花輪で歓迎を受け、無事西郷隆盛像まで到着しました。よかった。

九州新幹線開業記念野外彫刻展2004
SPRING HAS COME
藤浩志出品作品

会期:2004年3月13日~4月4日
散歩実施:2004年3月13日
主催:九州新幹線開業記念イベント実行委員会
企画:九州新幹線開業記念イベント実行委員会歴史文化部会
後援:鹿児島県文化振興財団、鹿児島県教育委員会、鹿児島市教育委員会、鹿児島県美術協会
協力:鹿児島県歴史資料センター黎明館、鹿児島県立図書館、鹿児島県霧島アートの森、鹿児島市立美術館
アートディレクター:宮園広幸

鹿児島でのツンと西郷さんの対面は終わりました。
しかし、ツンの旅はずーっと続くのでしょう。

ツンは今度は秋田県大館市のハチ公に会いたがっているとか。

「マタ、ドコカデ オアイシマショウ!」